はじめての彼女へのラブレター
君を一目見たときから、魔法がかかってしまったかのように凍りついてしまいました。
すれ違いざまに脳には膝から崩れ落ちそうなくらいの衝撃が走りました。
その時、君はきっと僕なんて気にも掛けていなかっただろうし、覚えていないでしょう。
去っていく姿を振り向いて目で追いかけちゃいました。君は学年のアイドルだったから
「叶わぬ恋だ」と周りは言っていたけど、僕は君に他の誰もが敵わぬほどに恋しちゃいました。
まだ、あなたの名前すら知らなかったのに、おかしな話ですよね。
でも、もっと君のことが知りたくて、ずっと君のことを見ていたくて、すれ違う度に君のことを見つめていました。
そんな時、君は僕に向かって「あんまりジロジロ見ないで」って、廊下の隅っこに呼び出して言いましたよね。その時は嫌われたんじゃないかと落ちこみました。
しかし、よくよく考えてみれば僕が君のことを、すれ違う度に見つめていたことに気付いていたんですよね。もしかしたら、君も僕のことを意識し始めているんじゃないかと、逆に僕の魔法にかかたんだと思いました。そんなことないのに、恋しているときはプラス志向に変わっちゃう僕の性格は今も変わらぬままです。
そんなことを周りに言うと、叶わぬ恋だと分かっているから「迷うな」、「焦るな」だとか言いながら、はやし立ててきました。
しかし、僕はそんな言葉は信じませんでしたよ。君が好きという気持ちも揺らがなかったけれど、気がついたら周りの誰もがアイドルの君を狙っていたから気負っちゃいましたけど。
だって、周りと比べたときに君は僕なんて選ばないと思ってましたから。
いっそ、この世に君と僕の2人きりなら良かったのにと思い、悩みもがいた日々でした。
でも、やっぱり行きついた答えは君を誰にも渡さない、渡したくないという想いでした。
そして、他の誰かの彼女になる前に僕の彼女になって欲しかったから、すぐに君を呼び出して告白しましたよね。
君は僕の想いに気がついていたんでしょうか。二つ返事ですぐに答えをくれましたね。
やっぱり、君は僕の魔法にかかってしまっていたんじゃないですか??(笑)
その日に一緒に帰ったこと、途切れ途切れになった会話は、今も忘れていませんよ。
そして、別れ際のキスの味も忘れられないですよ。
あの時、実はキスをするタイミングを窺っていたんだけど、なかなか度胸がなくてできなかったのに、突然の突風に目を伏せた隙にキスをしましたよね。
僕は今しかないと思って、しちゃったけれど君はどうだったのですか。
君は、はにかんで顔を俯かせましたね。僕もなんだかバツが悪くってお互い顔も見ぬまま別れて行きましたよね。僕は君の姿が小さくなるまで、また目で追っていました。
あれが僕のファーストキスでした。僕にとって、僕とあなたにとってのファーストキスでした。そして、君が最初の彼女でした。しかし、君が最初で良かったです。今でもそう思います。
久しぶりに会った同窓会はどうでしたか。お互い姿かたちは変わってしまったけれど、
君の顔を見てすぐにあの時の思い出がよみがえってきました。
時が経つにつれて、思い出も鮮明になっていきました。思い出して分かったことがありました。
結局、君は何も変わっちゃいませんでした。
あの日あの時のままの君でした。あの日の僕を支えてくれた優しい君が、そこにいました。
君が今、幸せでいることに僕も幸せに思います。あれからお互い違う道を歩んだけれど、
君と出会えたから、今の僕があると思います。
君に感謝していますよ。
「ありがとう。」
これからも幸せにいてください。これが僕からの最後のお願いです。いつの日か再び会えたなら、あの日のように笑っていてください。
それではサヨナラ、お元気で。
